💎歯列矯正で「抜歯が必要」と言われるのはどんな時?
- 2025年07月02日
- 矯正治療
こんにちは。新宿三丁目駅徒歩2分のサファイアデンタルクリニックです。
歯列矯正を検討する際、「抜歯が必要になるかもしれない」という話を聞いて不安を感じる方は少なくありません。
歯を抜くことは避けたいと感じるのが自然ですが、実は理想的な歯並びと噛み合わせを得るためには、抜歯が重要な役割を果たすケースがあります。
ここでは歯列矯正においてなぜ抜歯が必要になるのか、具体的にどのような場合に抜歯が推奨されるのか、そして抜歯をしない「非抜歯矯正」の可能性について詳しく解説していきます。
目次
歯列矯正における抜歯の目的
歯列矯正で抜歯を行う主な目的は、歯をきれいに並べるための十分なスペースを確保することです。 顎の骨の大きさに対して歯のサイズが大きすぎる場合、すべての歯が収まりきらずにガタガタになったり(叢生)、前歯が前に突出してしまったり(上顎前突)することがあります。このような状況で無理に歯を並べようとすると、次のような問題が生じる可能性があります。
口元の突出
スペースがないのに歯を並べることで歯が前方に押し出され、口元全体が不自然に出てしまうことがあります。
後戻りのリスクの増加
不安定な位置に無理に並べられた歯は、治療後に元の位置に戻ろうとする「後戻り」のリスクが高まります。
歯や歯茎への負担
適切な位置に歯が収まっていないと一部の歯に過度な負担がかかり、歯周組織への悪影響や将来的な歯の寿命を縮める原因となることもあります。 抜歯はこれらの問題を解決し、機能的かつ審美的に安定した歯並びと噛み合わせを実現するための「手段」として選択されるのです。
抜歯が強く推奨される具体的なケース
歯列矯正時に抜歯を推奨するのは、主に以下のようなパターンです。
重度の叢生(がたつき)
歯が顎の骨に収まりきらずに重なり合ったり、ねじれている状態です。顎のスペースが極端に不足している場合、抜歯をせずに歯を並べようとすると口元が不自然に突出したり、治療後に後戻りが強く出るリスクが高くなります。抜歯によってスペースを作ることで、歯がアーチ状に並び、見た目と機能のどちらも優れた状態を目指します。
重度の上下顎前突(出っ歯・口元の突出)
特に日本人に多く見られる「口元が全体的に前に突き出している状態」です。前歯を大きく後退させるスペースを作ることで口元の突出感を解消します。抜歯なしで口元を大幅に下げることは難しいケースが多いです。
下顎前突(受け口)で、下の歯を大きく後退させる必要がある場合
「下顎が上顎よりも前に出ている状態」です。下顎の歯列を後方に移動させるスペースが必要な場合に抜歯が検討され、上下の歯の噛み合わせの前後的なずれを改善します。骨格的な問題が大きい受け口の場合、通常は顎の外科手術が必要になることがあります。
治療の難易度が高い噛み合わせのずれ
特定の歯だけが極端にずれている場合や、全体の噛み合わせを大きく改善する必要がある場合などです。抜歯によって特定の歯をより効率的かつ大きく移動させることが可能になり、治療期間の短縮や治療の成功率向上につながります。矯正用インプラント(アンカースクリュー)を併用することで、さらに複雑な歯の動きも可能になります。
親知らずが歯並びや矯正治療に影響を及ぼす場合
親知らずが横向きに生えていたり、手前の歯を押して歯並びを悪化させたり、矯正治療中の歯の移動を妨げる可能性がある場合は、治療前に抜歯が推奨されることがあります。抜歯することで奥歯をさらに後方に動かすスペースを得られることもあります。
抜歯をしない「非抜歯矯正」の可能性
全てのケースで抜歯が必要なわけではありません。以下のような場合は、抜歯をせずに矯正治療を進められる可能性があります。
軽度な叢生やスペース不足
IPR(歯間をわずかに削る)
歯と歯の間をほんのわずかに削り、数ミリのスペースを作る方法です。
歯列弓の拡大
歯列全体をわずかに外側に広げることで歯が並ぶスペースを確保します。これは顎の成長期にある子どもの矯正でより効果的ですが、成人の矯正でも行われることがあります。
奥歯を後方に移動させる(遠心移動)
奥歯全体をさらに奥に動かすことで、前方の歯を並べるスペースを作り出す方法です。アンカースクリューなどの補助装置を用いることで効率的な歯の移動が可能になります。
抜歯の最終判断は「精密検査」と「丁寧なカウンセリング」で
抜歯が必要かどうかは、患者さん一人ひとりの顎の骨の大きさ、歯の大きさ、歯並びの状態、骨格的な特徴、そして「最終的にどのような歯並びと噛み合わせを目指すのか」という治療ゴールによって大きく異なります。
精密検査の重要性
レントゲン、CT、口腔内写真、口腔内の3Dスキャンなど多角的な精密検査を行い、これらの情報を総合的に分析した上で歯科医師が診断します。
メリット・デメリットの十分な説明
抜歯のメリット(口元の改善、安定性向上など)とデメリット(歯を抜くことへの抵抗、治療期間の延長など)について、詳しく説明があることが重要です。
代替案の提示
歯を抜くことに抵抗がある場合には、抜歯をしない場合の治療計画についても相談しましょう。
歯列矯正における抜歯についてのまとめ
歯列矯正における抜歯は、単に歯を失うことではありません。より健康的で機能的、そして見た目にも美しい歯並びと噛み合わせを長期的に手に入れるための大切なステップです。
ご自身の状態と治療ゴールをしっかり理解し、納得した上で治療方法を選択することが、後悔のない矯正治療への鍵となります。
矯正治療に関する詳細は診療案内をご確認ください。
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